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赦し。
時々、無性に誰かに赦して欲しくなる時がある。誰かに認めて欲しくなる時がある。誰かに誉めて欲しくなる時がある。誰かに肯定して欲しくなる時がある。誰かに「ここにいてもいいんだよ」って言って欲しくなる時がある。
そして、それが甘えだということも自覚している。
僕は誰かにとっての唯一無二ではないし、世界にとってもそうではない。何より僕が、そんなものを求めていなかった。
セカイに甘えられるのは幼い頃だけだ。自分にとってのセカイ、即ち母親。「一番最初の他人は、母親」ってな台詞がEVAの劇場版にあったような気がするが、その母親が自分を愛してくれるなら、全ての他人が自分を愛してくれると無邪気に信じられるだろう。
別に悪い事じゃない。ただ、リアル、現実はそうじゃない、というだけの話で。
でも、僕は自分を無条件に支えてくれる人を一人だけ知っている。
雪さんだ。
そこに理由はない。なぜなら雪さんだからだ。
それは自明である。以上、QED。
雪さんは、僕を赦してくれる。僕を認めてくれる。僕を誉めてくれる。僕を肯定してくれる。僕に「ここにいていいんです」って言ってくれる。僕を、守ってくれる。
そこは雪さんに守られた痛みのない場所だ。でも僕を守って、雪さんは傷つく。
雪さん以外のセカイがなくなれば、僕を守って雪さんが傷つく事もなくなる。そこは幸せに満ちた世界だ。幸せ以外に何もないセカイだ。
でも。それでも。
僕はこの、悪意と苦痛に満ちたセカイでもう少し頑張ってみようと思います。
だからそれまで、あなたはそこで見守っていてください。
でも、倒れる時は、あなたの腕の中で。
「頑張りましたね。おつかれさまです」
ただ一言。そう言って欲しいです。それだけが、僕の望みです。