読んだ本。

ゆらゆらと揺れる海の彼方
近藤信義電撃文庫


うーん。手放しで誉められない良作、というか。
ジャンルは戦記ファンタジー、でよいのかな?
雰囲気は好みな感じ。奇麗過ぎも無く、かといって変にリアリティばかり追求して興ざめさせてくれる事も無い。世界は人が生きていて、それなりに残酷で、そしてファンタジー
文章も悪くは無い。くどすぎず、軽すぎず。やや硬い文体も、戦記ものという雰囲気には合っています。
キャラクターも、皆それぞれに魅力的。書き分けもできています。


いや、実際面白かったんですよ。話の流れは至ってスタンダードなものですが、しっかりと最後まで飽きさせませんでしたし。


でまぁ、何処に問題があるかといえば。
まったく伏線を回収しやがりませんこの話(ぇ
400P越えのくせに、序盤から中盤にかけて張った伏線をまったく回収できていません。むしろ放置プレイ。○○○の正体とか親子関係とかチラッと出てきた騎士とかその他。無理に回収する必要の無いものもあるとは思いますが、それでも最初のアレくらいは……(汗
ってゆーか続くんでしょうか。続かないと生殺しですよ? 泣きますよ?


とりあえず、400Pでまとめきれない壮大な話を書くのはいいんだがちゃんと終わらせられるのかとか、それができない作者がこの先どうするんだとか、ってゆーか『風の白猿神:滝川羊(富士見ファンタジア)』を思い出しましたよ? とか色々と突っ込みたい部分はありますがぐっと我慢して次作に期待。
いや、続き出ないってのはマジで勘弁してください(汗