本の感想
飾られた記号 The Last Object(佐竹彬:電撃)
……なんかなぁ。数学をエッセンスに使うんなら、もうちっと数学を勉強してください。頼むから。お願いだから。正直、読んでいて辛いです。まぁ、あくまでエッセンスだから、ということで見逃すべきなのかもしれませんが、そういう細かい所に神経を使って欲しいなぁ、と思うのですよ。リアリティ、というか説得力が無くなってしまうので。
後は文体。一部で単語を羅列している部分が見られましたが、あまり意味があるようには思えませんでした。効果的に使えている、とは言い難い。というか、この使い方、作風にあってるんでしょうか? もう少し考えて使って欲しいなぁ、と。うまくやらないと手抜きに見えてしまうので。
内容的にはまぁ、こんなもんかな、と思います。トリック部分に付いてはまぁ、そっち方面は疎いのでノーコメント。全体的にもうちょっと頑張って欲しい感じです。
トリックスターズ(久住四季:電撃)
ラノベ的ミステリ、ですね。屋上密室トリックは一瞬で分かりました。それ以外のトリックは完全にスルーでしたが(苦笑
キャラクタ造形も悪くなく。ただ、悪役が悪役、というのはどうかな、と思います。分かりやすいんですが、分かり易過ぎる。安易、といっても良いように思えてしまうので。まぁ、それは流石に気にしすぎかもしれませんが。
次も期待できそうだと思います。
ROOM NO.1301 しょーとすとーりーず・わん(新井輝:富士見ミステリー)
まぁ相変わらずといえば相変わらずな感じ。淡々とえろいですね。
自分はあんまり意識しないのですが、どうも他の方々の感想を読むと色々と深読みもできるようで、ずいぶんと楽しむ間口が広いんだなぁ、という印象。良い作品ですね。
スラムオンライン(桜坂洋:ハヤカワ)
ネガティブハッピー+オンラインゲーム+燃えって感じ?
割と変化球なんですが、筋そのものはストレートですよね、これ。現状があって、変化があって、挫折(=敗北)があって、そこからの復活があって、最後に成功がある。そのどれもが他人には理解され難い、あるいは理解されないかもしれないけど、それでも本人にとってはそれなりに意味があることなんでしょう、たぶん。そのへん、割と直截的だったような気もします。
つか、面白かったです。だからよくわかる現代魔法よりはこういうのを書いて欲しいんだけどなぁ(苦笑 やっぱり売れないんでしょうね、きっと。