A君(17)の戦争

豪屋大介:富士見ファンタジア


5、6読了。
なんというか。面白い、の一言で済ませておきたいのだが、そんなわけにもいかないだろうし。
思った事としては、この世界はひどく寓話的だということ。
デフォルメされ単純化された世界は、物語的ご都合主義と物語的非ご都合主義を、時に直截的に、時に回りくどく表現する。
"そこに自分で考え、自分の意志で動く人がいる"ということを表現しようとするには技巧的にはやや稚拙だし、(この手の表現はひどく難しく、お約束的、ご都合主義的なキャラクター造詣、表現をするほうが圧倒的に楽である)考え足らずかな、と思わせる部分も無いわけではないが、それさえ許容できればこの話は楽しめると思う。
安易な記号(萌えに限らず、世界観的なものも含む)を使いながらも、根底にあるのは質実剛健さ、とも言えるものであるような気がする。
本格とか正統とかいったのとはちょっと違うのだが、それでも自分はこの話が好きである。
実は6巻読んでてちょっと泣いた(ぇ