米澤穂信講演会に行ってきました。
せっかくだから、という事で、同志社ミステリ研究会主催「米澤穂信講演会」に行ってきました。
以下、講演会の要約のようなものを(勝手に)書かせていただきます。以下の内容は僕が講演を聴きながらとったメモと、鶏並みの僕の記憶力を元に構成されていますので、不明瞭な記述や不正確な表現、勘違いや聞き違い、というか要するに正しくない内容などが多分に含まれている可能性があります。あらかじめご了承下さい。録音が出来ればよかったんですけれども、ちょっと手元に録音装置がありませんでした。
また、この要約の作成に当たり、2chラノベ板の米澤穂信総合スレッドその3の877以降を参考にさせていただきました。ありがとうございます。
以下の文体は米澤氏の口調とは異なります。なお、米)は米澤穂信氏を、進)は進行の方、質)は質問者を表します。
2006年度 同志社ミステリ研究会主催 米澤穂信講演会
演題:米澤穂信と青春ミステリ
日時:2006.6.17(Sat.)
場所:同志社大学新町キャンパス尋真館Z40教室
開演前に殆どの席が埋まる。160人程はいたように見えた。男女比は5:5か6:4程度と感じた。
開演
進行の方から米澤穂信氏の略歴などが。
本人挨拶
ここで米澤氏入場。話は巧くないがよろしく、とのこと。以降、講演という形を取ってはいるが、米澤氏が質問に答える形で進行していくことに。
Q1「座右の銘」
米)天賦の才で勝負出来るのならばそれで良いが、できないならば技術を磨かなければならない。座右の銘は選んで当然のものを選んだ。捻くれたものを選ぶほど捻くれてはいないつもり。
最初から座右の銘を聞き落とし。具体的な言葉をあげられていましたが、聞き取れませんでした。また、話の流れで、「この事件を解決したら次の初版分の印税を25%にあげてやる、と言われてみたいですね(一堂笑」と言われていました。何か元ネタがあったようですが聞き落としました……
Q2「小説家になるに至ったいきさつ」Q3「幼少期から中学、高校時代にかけて」
米)インターネットの普及もあって、大学二年頃から小説を公開しはじめる。卒業後に投稿を視野に入れたものを書き始めた(デビュー作の『氷菓』の事のよう)。
小学校の頃、通学の行き帰りの時間が非常に長く、6年間、その間にずっと話を考えていた。
中学の頃もやはり通学時間が長く(一時間ぐらい)、その間にTRPGの話を考えていた。
高校の頃。話を考えるのは好きなため、物語を作ることを一生の仕事にするんだろうな、と漠然とではあるが感じていた。
進)空想趣味が高じて、ということでしょうか(一堂笑
重なる話なので一度に答えられていました。
Q4「これまでの読書遍歴について」
米)綾辻行人の『十角館の殺人』が文庫落ちしたときに店頭で手に取ったのがミステリを読むようになったきっかけ。最初に読んだミステリはクリスティの『なぜエヴァンズに頼まなかったのか』。これは『愚者のエンドロール』の英題にもなっている。
高校の時はあまり本を読んでいなかった。大学でネットを通じて読書仲間が出来たのがきっかけ。読むよりも書く方が好き。スタンダードな方へ遡っていく感じ、などと。
印象に残っている本は、『キッド・ピストルズの妄想(山口雅也)』。
好きな本という意味では、『だれもがポオを愛していた(平石貴樹)』『乱れからくり(泡坂妻夫)』など。作家では、北村薫、高木彬光、横溝正史など。
Q5「尊敬する作家は」
米)尊敬は人格に対して捧げるもので、その人の書いた小説だけ読んで作家を尊敬するのは難しいと思う。技術的に巧いと思った作家は皆尊敬している。
Q6「過去の青春ミステリ作品で意識するものは」
米)青春ミステリで参考にしているものは特にない。青春は誰にでもある、あるいはあったもの。好きな青春ミステリはあるが、特に意識はしていません。
Q7「執筆する際の、「これだけは気をつけている、譲れない」といったこだわりは」
米)登場人物、キャラクタが生きていることを忘れないように心がけている。ミステリではアンフェアにならないために、登場人物に普通は言わないような台詞を言わせなければならないことがあるが、その際には特に注意している。
こだわりについては、見せ場を意識している。見せ場を見開きに納める(ページを手で繰らなくても良い)ようにしたいと思っている。
例として『夏季限定トロピカルパフェ事件』『さよなら妖精』を挙げられていました。特に『さよなら妖精』は見せ場を見開きに納めるために手を入れたので、ハードカバーと文庫では多少の差が出ている、とのことでした。
Q8「『ライトノベル』に対する思い入れや、機会があればまたライトノベル系のレーベルで作品を発表してみたいというお気持ちは」
米)ライトノベルは好き。が、読者層がライトノベルの読者層ではない人(女性など)にも広まってきて、『さよなら妖精』や『犬はどこだ』でファンになってくれた人の多くにとってなじみの薄いライトノベルでは今は書いていられない。
挿絵は、いいんじゃないですか(一堂笑 挿絵を利用した、ライトノベルの特徴を逆手に取ったミステリも考えられるので、そういうものも書いてみたい。
Q9「『日常の謎』系ミステリに対して、何かポリシーは」
米)日常の謎ものでは犯人が謎を隠そうとする意志がない。また、日常では何か不思議なことを見つけたとしても、それを突き詰めて考え、解決しようとしたりはしない。謎を解かせようとするなら、日常から「ミステリ時空」に引っ張っていかなければならない。例えば古典部シリーズでは、千反田えるが引っ張ることでミステリ時空へと入っていっている。
Q10「実際の出来事を小説のネタに使ったり、登場人物には誰かモデルがいたりしますか。また、ご自身の作品の中で先生に似ていると思う登場人物は」
米)明確なモデルはいない。似ているという人物はいたとしたら、影響を受けている可能性はある。
古典部は実体験を元にしている。
自分に似ていると思うのは、強いてあげるなら福部里志(古典部シリーズ)。
進)つまり、先生もデータベース的な?
米)それほどではないです(一堂笑
Q11「シリーズもので探偵役を務める主人公が、消極的なキャラクターばかりなのは何故ですか」
米)例えば古典部シリーズの折木は、シリーズを通して折木が成長していく過程を描こうと思っていた。主人公が最初から完成されていると成長しないので、成長の余地を残している。
また日常というものでは、普通の人は謎があったとしても一文の得にもならないのにその謎をとこうと四苦八苦し躍起になったりはしない。消極的なのが普通、とも言える。
Q12「作品の中の女性からは、全体的に「強い女性」という印象を受けます。女性を描く上で意識されていることは」
米)男性にとって都合の良い女性にはならないように注意している。自分の都合や思惑があって動く女性描いているつもり。
Q13「古典部シリーズには、言わば“何かの「特別」になりたい”という青臭くて胸がぎゅっとなるような気持ちがちりばめられていると思いましたが、それはご自身の経験から来るのでしょうか」
米)凄い質問ですね。青春とはそんなものじゃないでしょうか(笑
高校の頃は誰もが持つような一種の万能感があったが、大学に入ってインターネットを使うようになると、ネット上の化け物(凄い人、の意。本を大量に読んでいる人、読みの深い人など)に触れ、自分の特別さを失った。古典部の面々は高校生なので、そういった印象が与えられたのならば嬉しい。
余談ではありますが、ミステリ作家の集まりに参加する機会があり、皆変人ばかりで自分は普通だ、という趣旨のことを言ったら「お前は何を言っているんだ」と突っ込まれた(一堂笑
Q14「『さよなら妖精』は元々、古典部シリーズの一つとして出す予定だと聞きました。『さよなら妖精』の主要キャラクターが古典部の誰に当てはまるのでしょうか」
米)折木=守屋 千反田=白河 福部=文原。伊原が喋っていた台詞は白河・文原に分散された。千反田の家は非常に広いという設定があるが、マーヤは千反田の家に居候している設定だった。太刀洗は『妖精』のために作った新しいキャラ。
元々は折木・千反田・マーヤが主軸の予定だったが『妖精』になる際に守屋・太刀洗・マーヤに変わった。
最後の謎解きは折木が千反田に解説する第一段階。その後、喫茶店を去り一人で独白する第2段階に分かれていた。白河の名前の謎解きは当初千反田でやる予定だったもの。その為白河の下の名前は千反田に似たものにした。『妖精』のその部分を読めば千反田の名前の漢字表記も推測がつくはず。
この辺は殆どメモをとれませんでした。877さん本当にありがとうございます。
Q15「何故どの作品も「のこされた文書を読み解く」形式になっているのでしょうか」
米)え、そうですか、と思って読み返してみたら実際にそうだった(笑
のこされた物を後から読み取るのにシビれる。だから、何故か、と言われたら、好きだから、としか答えようがない。
進)のこされた文書萌え、ということでしょうか(一堂笑
Q16「「(SFの)神林長平『戦闘妖精・雪風』を恋愛小説として読んだ」ということを書いておられますが、他にも良くSFを読まれるのでしょうか」
米)SFはつまみ読みする程度。読みたいところだけ読む、といった感じ。SFに関しては門外漢。
Q17「先生ご自身はスイーツがお好きなのでしょうか」
米)これは絶対誤解だと思うんですよね(一堂笑 最初、コードネームは『短編集』。『春期限定イチゴタルト事件』と冗談で提出したら大絶賛で、皆OKを出してしまって、それで楽になった部分はあると思う。
甘い物が好きと言うよりは、美味しい物が好き。『夏期限定トロピカルパフェ事件』の取材のために甘い物ばかり食べまくっていたら、数日後それが原因で倒れてしまった(一堂笑 それ以降はスイーツは控えるようにしている。『夏期限定トロピカルパフェ事件』に出てきたなかで一番好きなのは"フローズンすいかヨーグルト"。
進)カステラがお好きなようですが
米)カステラには高級店があるし、日持ちもするので贈答用に最適、というだけです(笑
Q18「『犬はどこだ』を書くにあたり意識したハードボイルド/ネオハードボイルドの作家は」
米)誤解という程ではないが、『犬はどこだ』はもともとハードボイルドを意識した物ではない。古典部や小市民シリーズではミステリらしいミステリ(殺人事件などが出てくる物)が書けないので、そういったものを書ける舞台、ということで用意した物。書く際に意識したのは北村薫『盤上の敵』。プロットを担当さんにみせると『火車(宮部みゆき)』みたいだといわれた。書き上げたものを見せるとと今度はマイクル・Z・リュ―インですねと言われた。
ハードボイルドと感じられるのは、文体のせいではないかとおもう。デビューの時から言われていた。記憶を辿ると、樋口有介先生の影響ではないかと思う。
ここもスレを参考にさせて貰っています。
Q19「本格ミステリを幼少の頃より愛読してきたそうですが、実際にお書きになっておられる作品には、微妙に「(いわゆるガチガチの)本格」からのズレや逸脱があるように思われますが」
米)ミステリのガジェット(密室や嵐の山荘など)を盛り込むことに対する照れのような物があるので。
Q20「『犬はどこだ』のように男同士のコンビを書く場合と、小市民シリーズのように男女の関係を描く場合で違いはありますか。そしてそれは、両シリーズのシリーズ的性格の違いとも関係するのでしょうか」
米)小市民シリーズは二人とも謎を解きたがっている、ミステリ時空の人間。だから、人を人とも思っていないという側面もあるためにヒロインに対し極端にプラトニックになっている。これは小説のプロットがもたらした結論であるといえる。
『犬はどこだ』では、学生時代の先輩後輩という以前に上司と部下という関係。
その作品の設定に見合った関係の描き方をしているだけ。
古典部では、単に二人とも朴念仁なだけです。
Q21「新作『インシテミル(仮)』は「ミステリのためのミステリ」のような作品だそうですが、バークリー『毒入りチョコレート事件』や中井英夫『虚無への供物』のような「アンチ・ミステリ」的な作品になるのでしょうか」
米)『虚無への供物』はアンチミステリですが、『毒入りチョコレート事件』はアンチミステリではありません。これは質問者の方はちゃんと書かれていたんですが、質問を短くするときに落とされてしまったようです。
作品としては、ガジェットに対する照れを取り払ってしっかり使い、ミステリらしい舞台でミステリを書こうと思っている。「ミステリのためのミステリ」というのはちょっと誤解を招く表現だったかも。
Q22「発売から五年を経た今でも一人寂しく遊ぶほど『カルドセプト』というゲームがお好きだと聞きましたが、他に好きなゲームなどは。またその最新作『カルドセプトサーガ』の脚本は同じく作家の冲方丁氏が担当されるそうですが、先生はゲームの脚本を書いてみたいと思ったことは」
米)他の質問は短くカットされているんですが、この質問だけ"一人寂しく"がカットされていないのは何故でしょうか(一堂笑 あと、これは誤解ですが、寂しくはないです(一堂笑
好きなゲームは「メタルマックス」「タクティクスオウガ」「ロマンシングサガ」。あまり巧くはないですが、シューティングゲームでは「ダライアス外伝」「ぐわんげ」を1コインでクリア出来るくらいです。PCのノベルゲームもはやっているそうですが、ノベルゲームはやらないので少し肩身が狭いです。
Q23「競作をしてみたい作家さんは」
米)巧いな、と思うと敬服してしまうので、競作してみようとは思えません(笑 競作する機会があったとしたら、全力は尽くしたいです。
Q24「今後、ミステリ以外で挑戦したい小説のジャンルは」
米)ミステリでまだまだやりたいことがある。強いて言うならば、時代小説。10年間くらいはミステリを書いているのでは、と思います。
以降、会場からの質問コーナーになります。
Q25「現在3つのシリーズを書いているが、完結の予定は? また、他のシリーズの予定は?」
米)完結への道が見えているのは小市民シリーズ。古典部はちょっとどうなるか分からない。『犬はどこだ』はどんなミステリでも出来るような舞台が欲しい、ということで用意したので、今のところ完結は考えていない。
Q26「本やゲームの話をされたが、特に影響を受けた漫画などは」
米)家に手塚治虫全集がある。特に好きなのは『七色インコ』『どろろ』。他には藤子不二雄SF短編集、『ゆめのかよいじ(大野安之)』『ヴァンデミエールの翼(鬼頭莫宏)』。
Q27「基本的に死者が出ないという印象を受けていたが、今後殺人がメインになるようなミステリを書くか?」
米)自分の作品の雰囲気が好きなのだったら、スプラッタを書いて喜んでもらえるのか、というのはある。でも、ミステリ作家としての幅を広げるために扱っていきたい。
『愚者のエンドロール』のスニーカー文庫版では著者紹介に「本人は別に殺人事件の出てくるミステリは嫌いではない」と書いてあったが、角川文庫版では無くなってしまった。
Q28「『インシテミル』とは変わった仮題だが、ガジェットに"淫して"みるという意味か」
米)そうです。だじゃれなんですよね(一堂笑
Q29「『氷菓』『愚者のエンドロール』の後書きにあった「寿司事件」のオチが知りたいんですが」
米)『クドリャフカの順番』で落語部が行った寸劇が「寿司事件」のオチになっています。気づかなかった方も多いかも知れませんね。
また、『愚者のエンドロール』の第5章の題名が『味でしょう』とagitation(煽る・煽動する)の語呂合わせになっています。このことも寿司ネタの種明かしと共に『クドリャフカ』に真相がわかるよう盛り込もうかと思ったが、期間も空いているし『クドリャフカ』からシリーズを読んでくれる人もいるだろうと思ったので、ネタバレになりかねないこのネタは書かなかった。
Q30「最近はライトノベル作品が映像化されていますが、作品の映像化について興味は」
米)興味はありますが、可能性は、と聞かれたら無いと答えます(一堂笑
Q31「あまり本を読まない人間にもお勧め出来る本などがあれば」
米)あまり量が無く、さくっと読めて、かつ度肝を抜かれるもの、ということでしょうか。泡坂妻夫の『幸せの書』などをお勧めしておきます。
Q32「今まで読んだ範囲で好きなSF、SF作家は」
米)『フェッセンデンの宇宙(エドモンド・ハミルトン)
Q33「先にタイトルが決まったりするようなことは。また、登場人物の名前の由来などについて」
米)『さよなら妖精』は書き始める前から。『愚者のエンドロール』は『なぜエヴァンズに頼まなかったのか』というタイトルが(英題にはなったが)先に決まっていた。『夏期限定トロピカルパフェ事件』は当然決まっていたが、スイーツの名前がなかなか決まらなかった。秋はマロングラッセが当確。
名前について。折木は一人称が"俺"だからという由来もある。だいたいは電話帳や子供の名前の付け方の本などを買ってきて決めている。
Q34「旧ユーゴというあまり一般的でない題材を選んだ訳は?」
米)高校の時のユーゴスラビア紛争などを見ても何故戦っているのかピンとこなかった。民族自決のために、とはいうが、そのような理由であんな戦争が起こるのか、という疑問があった。大学に入ってそれについて調べ、それを題材にして、敬意を持って小説に仕上げてみようと思った。
Q35「表紙について。イラストと写真があるが、米澤さんの希望が反映されているのか? また、希望するイラストレータなどは」
米)スニーカー版の『氷菓』に関してはレーベル立ち上げ時という事もあり、意向の反映はなかった。『愚者のエンドロール』は方針転換があったので、やはり意向はなかった。富士見ミステリー文庫と同じ方針転換*1があった、と言えば分かって頂ける方もいるでしょうか(一堂笑
小市民シリーズは、自分でリストアップし、その中からやや無理を言う形でお願いした。写真に関しては、自分から写真にしてくれと言ったことは特にないが、適切であると思う。
今後の希望。辰巳四郎さんに装丁をお願いしたかったが、叶わぬ夢となってしまった。
Q36「Do you love me?について。また、まんたんブロード誌で連載をされた理由は」
米)好きな作品の一つ『キッドピストルズの妄想』へのオマージュ。典型的な安楽椅子探偵ものを作ろうとした。こんな理由で殺すのかシリーズにできたらいいな、と思っている。
ショートショートはあまり発表するための場が無く、他に掲載する当てのある媒体がなかったため、喜んで応じた。
Q37「以前サイトに掲載していたものを手直しして出す予定などは?」
米)特に予定はありません。適当な話もないですし。
質)天使の出てくる話があったと思うが……
米)それは誰にでもある若き日の過ちというか……(一堂笑
Q38「独自の思想、ジンクス、信念などがあれば」
米)独特な手法と言えば、新入社員の試験で使われる「自分について30項目紹介する」というのを登場人物についてやってみてキャラを把握している。
誰にも負けないものなどがあれば苦労はしていないし、前面に打ち出している。ずっと探していくんだろうな、と思っている。
Q39「米澤穂信はPNですか。PNならばその由来は」
米)PNです。米澤は本名の苗字から。信の字は親から貰った名前から一字取った。穂は、以前は汎夢殿の汎を用い汎信と表記していたが、読みにくいのでデビューする際に字を変えた。
Q40「ダ・ヴィンチのインタビューで、ラノベ的なキャラとして屋根の上を飛んで歩く、と言っていたが具体的にどのキャラの事か」
米)ごめんなさい。当時ははっきりとした物があったんですが、今はちょっと分からないです。
Q41「他の作家さんについて、会って嬉しかった、などあれば。ただし桜庭先生は除いて*2」
米)誤解を解いておく必要があると思います(一堂笑 桜庭先生とは担当さんが一緒なだけで、仕事の話以上のことはありません(一堂笑
会って嬉しかった、ということでは島田荘司、北村薫など何人かの名前を挙げていました。
Q42「この人には負けられないという作家、同世代で気にしている作家などは」
米)ええと、ここで宣戦布告とかするわけには(一堂笑
質)そこを敢えて。
米)勘弁して下さい(一堂笑
Q43「この会場の99%の人は興味がない質問だとは思いますが、『ダライアス外伝』『ぐわんげ』を1コインでクリア出来る人があまり巧くないと言えるのか*3。また、サイトで公開している『秘密結社です』*4で触れられている『エスプレイド』『蒼穹紅蓮隊』などSTGについて」
米)確かにこの会場の99%の人は興味がないと思います(苦笑
まず、『ダライアス外伝』『ぐわんげ』について。『ダライアス外伝』はルートによってかなり難易度が違うのでルート選択に気をつけること、またフルパワーアップの2段階前で止めることでランク上昇をかなり防げます。以上の点に気をつければそんなに難しくはないはずです。
ぐわんげは6面に全回復があるのでそれさえしっかりとれれば結構安定するはずです。というか何でこんな事喋ってるんでしょうか私*5(一堂笑
あとはついでなんで言ってしまいますが、『夏期限定トロピカルパフェ事件』に出てくる喫茶セシリアとユグドラシルパフェはタイトーSTGの『レイストーム』からとられています。
あと、『蒼穹紅蓮隊』については一時間でも語れます(一堂笑
当然ですが、全部聞き取れたわけはありませんでしたので、かなり曖昧なまま書いてます。スクロールが変わるところで出てくる6匹の蜘蛛を順番に殺すんでしたっけ?(ぉ
Q44「ノベルゲームはしないそうですが」
米)サウンドノベルについてですが、『かまいたちの夜』は面白そうだったが9800円は中学生には高い。それならもっと本を買って読む。参加したいならゲームブックがあるし。だからサウンドノベルは殆どやっていない。
Q45「印税について、差し支えないようなら」
米)差し支えます(一堂笑
でもまあ、一般的には、あのー。いや、差し支えます(さらに笑
Q46「小説を書くことによって得ていること」
米)自分の現在の上限よりもう少し上でないと書けないプロットを立てているつもりです。が、それは読者にとってはあまり関係の無い話ですね。
Q47「作中の年月日がかなりはっきりと書かれているが、その辺について気をつけていることなど」
米)例えば『犬はどこだ』では犯人の意図によって日時が厳密に決められています。あとは、この出来事から次の出来事まで何日、というのはしっかりと決められています。
Q48「ロマサガで一番好きなシリーズは」
米)あまりゲーマーだという印象は、ちょっと(苦笑
ロマサガ1です。バッテリーがへたれてゲームが起動しなくなるくらいやった、といえば分かって頂ける方もいらっしゃるでしょうか。
初プレイではガラハドは殺さなかったらしいです(笑
ここで進行がそろそろ最後の質問、と言う。米澤氏、今のが最後の質問で良いんですか、と突っ込む。
Q49「仕事で小中学生に本を紹介しているが、お勧めのミステリなどあれば」
米)小中学生に良い本を届けるのは大人の義務、と考えている。中学生はもう十分に大人なので、控えた方が良い本というものは無いと思う。
Q50「文系色が強いように感じられるが、理系色の強いミステリを書く予定などは」
米)出来れば面白いとは思いますが、今のところ考えているプロットにはありません。
Q51「先生は何のために作品を書いているのか。夢、目標、野望などがあれば」
米)作品を書かないわけにはいかない。気がつくと書いている、と言う感じ。
一作、とても難産な作品を書いて、凄く疲れたので休むか、さて何しよう、と思ったらどこに出すわけでもない自分の趣味の小説を書いていたりします。
ここで講演は終了、以降抽選会・サイン会へと。
以上、なんかやたら長くなった気もしますが内容を表せていると信じたいです。というかこんなに長かったら要約じゃねぇ(汗